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三重音楽祭に向けて

早いものであっというまに12月も半ばが過ぎてしまいました。


三重フィルにとっての1年のしめくくりといえば。


そうです。ベートーヴェンの「第九」の演奏会が目前に。

28回目となる今年の三重音楽祭、指揮者は手塚幸紀先生です。

手塚先生はのどの手術を受けていらっしゃるので、大きな声を出すことができないため、練習の時は先生の声を聞き逃さないよう、団員は集中して練習しています。

とても穏やかで静かな指揮です。

でも、先生の音楽はとてもエネルギーに満ちあふれていて、演奏する私たちにもものすごく伝わってきます。
とてもゆっくりなテンポで始まる今年の「第九」、とても楽しみです!

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劇中劇、悲劇か、喜劇か

練習もいよいよ大詰めを迎えました。

「真夏の夜の夢」は、有名なシェイクスピアの戯曲に劇付随音楽として作曲された音楽です。
私たちの演奏会では、劇は上演されませんが、実は団員がこの演奏会のために新たに訳出し、書き下ろした台本によってナレーションが入ります。

ナレーターは藤原歌劇団のテノール歌手、角田和弘さんがつとめます。
いったいどんな舞台になるのか、とても楽しみですね。


アセンズの殿様シーシアスはアマゾンの女王ヒポリタとの婚儀を4日後に控えた森が舞台です。
二組の恋人たちが、妖精の王様と女王様の取りかえ子をめぐる夫婦喧嘩に巻き込まれるコメディですが、巻き込まれたのは恋人たちだけではありません。
殿様の結婚式にお祝いとして劇を演じようとして森へ入り、リハーサルをしていた6人の職人たちのうち、ボトムも巻き込まれた一人です。
いたずら者のパックに頭をロバに変えられてしまい、おまけに惚れ薬を塗られた妖精の女王様に熱烈な求愛を受け…。
ボトムには夢のような出来事だったにちがいありません。

やがてもめ事も収まり、いよいよ待ちに待った殿様の結婚式。
いろいろあった二組の恋人たちも一緒に式を挙げました。
このシーンで演奏されるのが、「ぱかぱぱーん、ぱかぱぱーん」のファンファーレで始まるあまりにも有名なあの結婚行進曲です。

元ロバ頭のボトムと仲間たちも無事、殿様とお妃様の御前で演じることができました。
実は、ボトムたちがこのときに演じた劇「ピラマスとシスビーの物語」は、ギリシア神話のエピソードのひとつで、シェイクスピアの数々の作品の中でも最も有名な悲劇作品「ロミオとジュリエット」の原型となったお話なのです。
その悲劇を、ボトムたちは面白おかしく演じて、「真夏の夜の夢」は大団円を迎えます。

父に結婚を反対され、森に逃げ込んだハーミアとライサンダーもまた、ひょっとしたらロミオとジュリエットと同じような、ピラマスとシスビーと同じような運命が待ち受けていたかもしれません。

そういえば、クリスマスコンサートで三重フィルが演奏した、「ウエスト・サイド・ストーリー」も「ロミオとジュリエット」をもとにした悲劇でしたね。

定期演奏会はもう目前、6月24日は聖ヨハネの祝日です。

マエストロの音楽

6月24日の定期演奏会。
今回で第41回目の開催となります。

今回の指揮者は、三重音楽発信vol7オペラ「ドン・ジョヴァンニ」でお世話になった、星出 豊先生。

「ドン・ジョヴァンニ」の時の星出先生はこんな感じ
あれからもう2年も経過しましたが、全く変わらない指揮で感激します。

星出先生が三重フィルを振るのは今回で5回目ですが、定期演奏会では実は初登場となります。
アレ?そんなに少なかったっけ??
というのが、今回久しぶりに星出先生をお迎えして、これが何回目のお付き合いかなあと数えてみての感想。

最初に三重フィルを振ってくださったのは、2005年3月に開催された三重音楽発信vol.5で、このときはモーツァルトの歌劇「フィガロの結婚」でした。
それから2006年12月の第23回三重音楽祭ではベートーヴェンの第九、
2008年2月の第13回三重オペラ協会公演では団伊久磨作曲の歌劇「夕鶴」、
そして「ドン・ジョヴァンニ」と、実に4回のうち3回がオペラでした。

オペラは本番公演がそれぞれ2回ずつあります。
そうするとリハーサルの回数も自然と多くなり、星出先生と過ごす時間も増える訳ですが…。

なんだかそれだけが理由ではない気がします。

もっともっと、長い時間を星出先生と過ごしてきたような錯覚に陥ってしまうほどに、星出先生との時間は濃密です。
星出先生と共に三重フィルが関わった作品が、全て「歌」でありドラマがあるからかもしれませんが、怒鳴られながらも共に作り上げる音楽の中に、私たちは生きていく喜びも悲しみも、すべて見出すことができるのです。

星出先生のブログに、三重フィルの演奏会が紹介されています。
そこには今回のプログラムへの思いも綴られていますよ。
ぜひ、ご覧ください。

星降る夜に
指揮者:星出豊のつぶやき

冬至と夏至の間

昨年のクリスマスコンサート2011は冬至の頃に開催された演奏会でした。

クリスマスというのは、イエス・キリストの降誕(誕生)を祝うお祭のことですが、実は新約聖書にはイエスがいつ生まれたかについては記述がありません。
初期キリスト教の時代には、キリストについてまず何よりも重要なことは、その死と復活にありました。
なので、降誕を祝うよりも復活祭の方が大きな意味を持っていたということです。

では、いつ生まれたのか定かではないキリストの誕生日がなぜこの日になったのでしょうか。
当時、ヨーロッパでは太陽神を崇拝する宗教が大きな力を持っており、冬至の頃にあたる12月25日を太陽神を祭る祝祭日としていました。
そこで異教徒との対立や摩擦を生むことなくキリスト教が浸透するように、この日が降誕祭に選ばれたといわれています。

冬至というのは、一年のうちで昼の時間が一番短くなる日で、それから日増しに日が長くなっていきます。
ですので、太陽の力が最も弱まった日、この日を新しい太陽が誕生する日として祝う習慣は、世界各地にあるそうです。
日本でも、冬至にゆず湯に入り、冬至がゆ(小豆がゆ)やカボチャを食べると風邪をひかないと言われていますよね。

冬至に新しく生まれた太陽は、次第にその力を増してゆきます。

そしてクリスマスから半年後、6月24日はキリスト教でも特別な存在であるバプテスマのヨハネの生誕を祝う日、聖ヨハネの日です。
この頃はちょうど夏至の頃にあたり、太陽が最もその力を増すときで、大地に恵みを与えて帰っていくと考えられていました。
そこで、夏至の日には盛大な夏至の祝火を焚いて太陽に力を与え,悪霊を祓って耕地の繁栄を祈っていました。

実はこの聖ヨハネの祝日の前夜は妖精たちが人間の世界に姿を表すといわれており、人間が妖精と出逢える日なのです。

人間が妖精と出逢える日は1年のうちに3日あります。
5月1日(五月祭)、夏至の前夜(聖ヨハネの日)、10月31日(ハロウィン)。
この3日はいずれもこの世と異界の境界線が消えて、妖精がこの世に現れる日だとされているのです。

シェイクスピアの喜劇「真夏の夜の夢」はこの伝説を背景としています。
物語の舞台はアセンズ(アテネの英語読み)なのに、古いアイルラウンドの伝説の影響を色濃く受けている物語ですね。
劇中で大活躍する妖精パックはアイルランドとウェールズの妖精プーカがモデルなんです。

そして、今年の聖ヨハネの祝日、6月24日に三重フィルは第41回定期演奏会を開催します。

今回のプログラムの1曲、「真夏の夜の夢」はまさしくこの日にふさわしい曲。
当日は、ナレーションをつけて物語を音楽と共に紡いでゆきます。
果たして、妖精と出逢えることができるでしょうか?


でもケルトの妖精は邪悪で意地悪な妖精が多いので、あまり楽しくはないかもしれませんね

とある音楽塾の風景

今回のクリスマスコンサート、プログラムのテーマはアメリカです。
そのプログラムの2曲目には、某人気コミックのTVドラマの主題曲になった有名な「ラプソディー・イン・ブルー」です。
「ラプソディー・イン・ブルー」はピアノ独奏と管弦楽のための音楽作品ですが、今回、その独奏ピアノを弾いて下さるのは、パリ国立高等音楽院の准教授、上田晴子先生です。

実は、三重フィルのコンサートミストレスは上田先生と演奏をご一緒させていただいたことがあるのですよ。
そのきっかけとなった、ある音楽塾でのヴァイオリンのレッスン風景をご覧ください。
今回指揮をして下さる、大山先生も登場します。





2年半前の夏。
今回、指揮を振っていただく大山先生主宰の「ながさき音楽塾」に参加させていただいた。
活水女子大学に缶詰めになり、レッスン・練習の四日間。
私はベートーヴェンのスプリング・ソナタを持っていった。
大山先生に個人レッスンを受けるということだけで緊張していた初日の二回目のレッスン。
(レッスンは1日に2回、昼に45分、夜に15分のレッスンがあった。)

大山先生が、1楽章のレッスン中「ちょっと待っててね。」と言い残し、別のレッスン室へ行かれたかと思ったら、ピアノの先生を連れてこられた。
(この音楽塾は、ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ・ピアノ・声楽の各分野の大変有名な先生方がいらしていた。)
大山先生は「ちょっと弾いてくれる?」とスプリング・ソナタの楽譜をピアノの先生に渡し、
「もう一回弾いて。」と私に言った。
私は何が何だか分からず、ますますカチカチになっていたので、第一主題が終わってから、
「緊張してるね、もう一度いこう。」
と大山先生。

するとピアノの先生がこう言った。
「口をぎゅっと結んじゃダメよ。軽く開けておかないと。そうすればリラックスできるでしょ?」

こんなアドバイスを受けたことが無く、きょとんとしていたら、「じゃあ、もう一度。」と。
無我夢中で第一主題を弾いた後の、あのピアノの先生のあの表情…。
キラキラと大きな目を見開き、“ん~!!いいじゃない?☆”と、先生の笑顔が私にそう語っていたようだった。
そして、第二主題に入るときのあの大きな呼吸。
いろんなことがあまりに衝撃的で、残念ながら、その後の記憶はあまりない…。

音楽塾の最後には、受講生の演奏会が行われる。
大山先生は、私にソナタの2楽章を弾くように伝えた。
しかも、あのピアノの先生が伴奏してくださるという。

当日の朝、限られた時間での初合わせ、午後本番。
先生のピアノと一緒に気持ちよく弾けるかな…なんて思っていたら、大間違い…。
先生のピアノは、それだけで完成されていて、入る隙が無い。
私が入ると、音楽が崩れるのが分かる。
だから、弾けない。
あんなに怖い本番は、なかった…。

後に、このピアノ先生があの有名なヴァイオリニスト、カントロフとベートーヴェンのスプリング・ソナタを録音された素晴らしいピアノストだということを知る。

そのときのピアノの先生こそ、今回のソリスト、上田晴子先生。
先生のピアノは、私のピアノの概念を大きく変えた。

先生は、ピアノ弾きながら「今日はチェロがイマイチよね。」とか「ここのオーボエが気に入らないのよね。」とおっしゃったりする。
最初はなんのことだかわからないのだけれど、先生のピアノを聴けば、一目(?)瞭然。
先生の中では、全ての曲がオーケストレーション化されており、このフレーズはオーボエとか、この低音はチェロとか、全ての音に明確なイメージがある。
(カントロフと録音しているベートーヴェンのソナタのCDの解説は、晴子先生が書かれていて、そこには「地下鉄の中で演奏するチューバの人」とか「バグパイプのように弾いてみた」などの表現が出てくる。)
先生のソナタのCDを聴いていると、ヴァイオリンとピアノ…ではなく、時にピアノトリオのように、時に四重奏のように、時にオーケストラのように、時に村の音楽隊のように聴こえるのだ。
(ピアノは音を鳴らしたらすぐ消えてしまう楽器なのに、弦楽器よりなめらかにレガートを弾かれた時には、本当にビックリした。)
こうなると、ピアノという楽器を通り越して、「上田晴子」という楽器が鳴っているようにしか聴こえなくなってくる。

色彩、香り、光景…全てが先生の音の中に含まれている。

先生の音色の多彩さは、先生の脱力に秘密が隠されているように思う。
先生はレッスン中、「椅子の前に腰かけて、背もたれに体を委ねて、足もまっすぐ伸ばして、すご~くリラックスした状態で、楽器を弾いてみて。」とおしゃったりする。
(弦楽器奏者にも同じことをおっしゃってみえた。)
すると、本当に気持ちいいくらい音がリラックスしているのが分かる。
その脱力の中で、ヨーロッパの神殿の柱のように重く揺るがない力強い音を奏でたときのその響きは、本当に体の中にズドンと響いてくるのだった。

先生の手の動きでひとつ発見したことがあった。
先生は、指を上へ跳ねあげたり、鍵盤の下へ落としたり、手がいろんな方向に跳ねる。
私は、先生に質問してみた。
すると…

「ピアノの鍵盤はね、並行じゃないの。ビー玉を鍵盤の上に置くとね、鍵盤の奥に転がるのよ。すこ~しだけど、置くのが低くなってるのね。
だから、室内楽やるときは、弦楽器のボーイングを書き写すの。
ダウンの時は下へ、アップの時は上へ跳ねる。そうするとね、不思議だけど、そう鳴るのよ。」

ピアノにもボーイングがあるなんて…。
またもや、ぽか~ん…としてしまった。
先生はソナタの伴奏として有名なピアニスト。

そんな先生と、今回はラプソディー・イン・ブルーをご一緒させていただく。
どんな音が飛び出してくるのか…。
今からワクワクドキドキしている。


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Author:三重フィル事務局
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